2009年5月8日金曜日

浮世風呂から現実をみる



浮世風呂の世界というか、風呂で知り合った人とよく話をするようになった。
70過ぎということだ。定年まではサラリーマンだったらしいが、
25歳の頃から株を勉強して始め、そこそこの儲けがあったらしい。
20年前にはその儲けで家も建てたそうだ。

40年働いても年金だけじゃそんなに貰えないから、年金以外で
年に150万ぐらいは入ってくるような道を考えておかないと生活できませんよ、
と私にアドバイスをしてくれる。

その人の言っていることは十分理解できる。
しかし、現在の日本社会で60や65から毎年150万ほどの収入を
どうやって得ることができるか、それが問題だ。

現在すでにお金を持っている人は問題ないだろうが、
労働者の三分の一以上が非正規雇用であり、一部の人を除き
なかなか収入が得られない社会がすでに出来上がってしまっている。

株とかいっても種銭がいる。それも半端じゃない額だ。

その70代の人の話を聞いていると、その人の周りの60代後半以上の人は、
まあそこそこお金を持って人生を謳歌しているように感じてしまう。
必ずしも、お金を持っている人たちばかりでもないし、いいことばかりでないのは
もちろん分かるが、現役世代と呼ばれる人たちとは隔世の感がある。

高齢になって幸せな生活を送れることはすばらしい。
同時に高齢者だけでなく現役世代も幸せな生活を営めるような社会は来るのだろうか。

「額に汗して働いた者が馬鹿をみない社会」と日本国の総理大臣はじめ
政治家はのたまうが、本気でそんなことを考えている政治家は日本にいるんだろうか。
経済状況の悪化で自殺者も増加している。

私は10年位前に日本に戻ってきた。
そのとき感じたのは、日本全国がカネ、カネ、カネしか考えていない社会になっていた、
ということだ。10年も経てばこの環境に慣れたが、異様な社会だと感じたことは確かだ。

私の世代は、学校では「相互扶助」「平等」・・・ といった紙に描いた餅ばかり教育されてきた。
能天気に私はそれらを信じていた。
今更ながら自分の馬鹿さ加減に愛想が尽きる。

最早、サラリーマンとかじゃなく自分自身でなにか収入を得る方法を考えないと
生きていけない時代になった、とつくづく感じている。
幸せな日々を送りたいと思っているが、なかなか現実は厳しおますな。


桂 枝雀 落語大全DVD 全40巻セット

0 件のコメント:

コメントを投稿