2009年4月20日月曜日

留学意欲の萎えた日本人



留学する日本人が減少しているらしい。
学生の気質が全般的に内向きになっているとの分析を文部科学省はしている。
豊かな時代に育ち、ほしいものは何でも手に入る日本から外国に出る気がないらしい。
それにネット社会なので海外の情報や映像もすぐ手に入る、
わざわざ外へ飛び出す必要性もないというようなことを、この前見たテレビ番組でもいっていた。

まぁ、他人の考え方を非難するつもりはないが、私はそのような考え方に違和感を覚える。
私のフランス留学の経験からいうと、想像することと現実とは全く異質のものだ。
ネットでの映像には、臭いがない、気候がない、食事がない、人との交流がない。
あるのはバーチャルのような切り取られた映像だけだ。レアリテがない。
フランスの学内でも各ヨーロッパの国々との交換留学制度があり、
私の回りでもその制度を利用して動く人が多かった。

余談になるが、私の姪も日本の大学生だ。
話しをしていると外国には全然興味がない。
留学どころか海外旅行への関心もゼロだ。
何が原因なのか分からない。別に非難するわけではもちろんない。
人にはそれぞれ個別の考え方があって当然だ。
ただ、若いのに、何故そのような関心を持たないのか不思議に思うだけだ。

留学は価値観の違ういろんな国の人との交流で学ぶことも多い。授業の形態も違う。
世界中にコネクションを持つチャンスでもある。
そのような異国の地で勉強・研究・生活する楽しみを放棄するのはもったいない。

「科学立国日本」とかいってるけれど、他国にもう遅れを取り始めているのではないか。

文部科学省は2020年に「留学生30万人計画」の実現を目指しているようだが、
この計画は日本への留学生の受け入れを目指しているのであって、
日本人の海外留学を促進するものではない。

優秀な人材は早くから海外に出て帰ってこないという。頭脳流出だね、これは。
このことについては国の政策が貧弱だからに他ならない。

一般的な学生は、日本に帰国後、職に就きにくい。
これも国、社会の支援体制が整っていないからだ。

一言で言えば、学生の内向化、国策の貧弱さに尽きる。

日本への留学生を増やすことばかり考えるのではなく、
日本から海外への留学を支援するプログラムも政策として考えないとだめなんじゃないの、
って言いたくなってしまう。

国の大事な分野のリーダーには優秀な人材に就いてもらいたいものだ。


成功する留学(H)改訂第5版

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